第14章 夏仕度
。。。。。。。。。。
「そこまでだ リヴァイ」
「モブリットか……」
月番で守衛は第4分隊だとは知っていた
だからカナコを1人で帰らせても大丈夫だと判断した
「この件の経緯は聞いた このまま2人を調査兵団に連れて行く」
「調査兵団だと!」
「そうだ お前達が手を出したのは調査兵団の団員だ なので身柄は憲兵ではなく調査兵団で預かる…」
「偉そうに……お前ら調査兵団がなんて言われているか知ってるのか?役立たずの税金泥棒が!」
「そんな事を言うお前達はまともに働いて税金を納めているのか?人を拐って売り飛ばすような輩に泥棒と言われてもなんとも思わないが?」
いつもの穏和なモブリットとは違う
冷酷な顔でモブリットはゴロツキを見下ろしていた
膝を地面に付いたモブリットはゴロツキと視線を合わせる
「調査兵団の仕置きを味わってみるか? もうじき次の壁外調査がある……その威勢が巨人相手に通用するか試したくなったな
ここでの仕置きは壁外調査で生き残れたら今までの全ての悪事が無罪放免だ――簡単な事だろ?」
ふっ――といつもの微笑みをするモブリット
あれほどの冷酷な顔をした後の微笑むモブリットは不気味で
普段のモブリットを知らなかったら俺も コイツはヤバい と思うだろう
ゴロツキは怯えて少しずつ震えていた 目に見えて恐怖が増幅していってるのが分かる
微笑みながらゴロツキを見ていたモブリットが絶妙なタイミングで立ち上がる
「さぁ行こうか――リヴァイこの2人を――」
「まっ待ってくれ!!
二度とあの女には手をださない!噂も流す――約束する!!」
「仲間にも伝える!このシガンシナでは 絶対に彼女には手は出さない!!」
2人は暴力で俺に負け 精神的な恐怖をモブリットから受けて完全に怯えて声が上ずっている
そんな2人をモブリットはまた冷酷な顔でにらむ
「いいか二度目はない…私の気が変わらないうちに立ち去れ!!」
半分腰が抜けていた2人は はうはうの体で逃げ出して行った
「これで良かったか?リヴァイ」
いつもの顔したモブリットが言う
「あぁ……お前なかなかやるな俺もビビったよ」
エルヴィンに「信頼している」と言わせる理由が分かった気がした