第13章 意外と出来る子なんです
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「カナコがすごい怖い顔で睨んでいるぞ」
始めて見るカナコの顔に驚いた
「小さい頃のトラウマでいい子でいないと捨てられるって思ってるからな 普段は柔らかな雰囲気だろ?
だが意外とカナコは激しいんだよ 悪くねぇだろあの顔も…」
リヴァイはカナコに見えないように背を向けて笑い 隣にいるモブリットは
「俺も恨まれてるだろうなぁ…」
と苦笑いしていた
「では全員集合!
リヴァイとの競争はこの訓練場で1番難しいとされているコースだ!そこを3周半してもらう ゴールは 他の団員達が集まっている広場だ!
これはタイムトライアルではない! 11人が一斉にコースを駆け抜け順位を決めるレースだ!怪我をさせない程度なら妨害もありだがブレードを使うのは禁止とする!
準備はいいか!」
11人がトリガーを掴む
「スタート!!」
緑の信煙弾を空へと打ち上げた
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緑の煙が見えた
「始まったみたいだね」
しばらくするとエルヴィンとモブリットが広場へと歩いて来る
「あれどうしたの?」
「ゴールはここにした その方が面白いだろ?」
エルヴィンは爽やかに笑うけど…あれは楽しんでいる顔だね
ここはちょうどコースの中間にある開けた場所だ
5分ほど待っているとガスを噴出する音とワイヤーを巻く音が聞こえてきた
予想通り1番に駆け抜けたのはリヴァイだ
その後は団員が4人過ぎて6番目がカナコだった カナコは団員よりも2mほど上を真っ直ぐに前を向いて飛んでいる
「カナコはこのコースを知ってるの?」
「一緒に訓練する時はいつもここですよ だからカナコは枝の位置までしっかりと頭に入っています」
「アイツ…下手くそって言ったのは謙遜なのか?」
ミケが顎髭を触りながらモブリットを見た
「謙遜じゃないですよ…カナコの言う 皆 は団員達ではなくて リヴァイ ファーラン イザベルなんですあの3人より自分は下手だと言ってたんです
カナコはあの3人と俺だけしか立体起動の訓練はした事がないはずです だから他の団員の実力なんて知らない
それにカナコに立体起動を教えたのは あのリヴァイですよ
だからカナコは自分が思っているよりかなり出来ます 飛び方がリヴァイとよく似ている…」