第13章 意外と出来る子なんです
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カナコが持ってきた書類をバインダーごと渡された 書類を渡すカナコが「助けて」と言わんばかりの顔で見てきたけど 面白そうだから気付かないふりをした
「カナコが飛ぶのは初めて見るなぁ 楽しみにしているよ」
ニコニコと笑う私を見てカナコは横に居るミケを見たが ミケは鼻で笑い何も言わない
カナコは何かを諦めた顔して 深いため息を吐くと モブリットに手を引かれてスタート地点に連れていかれた
「アイツが何を考えてるか分かるか?」
「分からないね でも彼は意味の無いことはしないから大丈夫じゃないかな」
モブリットはカナコと立体起動の訓練を一緒にしているから 参戦させても大丈夫だという判断なんだろう
前回の壁外調査でリヴァイの株は上がったけどカナコに対してはまだ一部の団員からは色々と不満があるらしい
リヴァイに愛されている事
幹部と仲がいい事
団長から気に入られている事
後はあの柔らかな空気と可愛らしさが気にさわるのかな…
どっちにしろただのやっかみなんだろうけどね
「まぁ モブリットの行動がどう出るかここで見てるしかないね」
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「参戦しないとダメ?」
あざとく首を傾けて上目遣いをしてみるけど モブリットに効果はなかった
「いつも一緒に訓練してる俺が言ってるんだから 心配する事はないよ」
背中を押され指名された9人の中に入る そこにはナナバがいて私を見ると驚いていた
「カナコどうしたの?」
ナナバはモブリットに一度厳しい視線を向けてから私の傍に来る
「リヴァイと一緒に飛べるのを羨ましいって言ったら こんな事になった」
「モブリット…大丈夫なの?カナコはコース知らないでしょ」
そうだ!コース知らないから無理だ!
「大丈夫だよ コースはいつもカナコが俺と訓練しているコースと同じだからね ナナバ カナコなら心配いらない 意外と出来るから」
逃げ出せる理由が無くなった…
意外と出来る…
でもここに居る9人は出来る子達ですよね?
ナナバはモブリットの言葉に「へぇ…」と私を見て
「負けないからね」とニッコリ笑った
エルヴィンに連れてこられたリヴァイと目が合うと私を見て驚き近付いてきた
最後の頼みの綱だ!!