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【進撃の巨人】月と青い鳥

第11章 リヴァイの選択



エルヴィンはリヴァイ達が何故調査兵団に入団したのかを知っていた

集めた不正の証拠書類と自分の命を狙っていると分かっててあの日地下街に行きリヴァイと対峙した



『エルヴィンは俺には見えない何かを見ている アイツの隣で俺もその何かを見たい』


リヴァイの言葉を思い出した

エルヴィンの青く澄んだ瞳にはどのくらい先が見えているのだろう

真っ直ぐに見つめるとエルヴィンは私に優しく微笑みを返した






「私が賭けに勝って生き残れば3人を…調査兵団で戦う事を説得するつもりでいた

彼らはその駆け引きの犠牲になった…すまない…」





「私だけじゃないよ…大切な人を失ったのは…エルヴィンもフラゴンを亡くしてる」


「私は数え切れないほど別れを経験している…なれた と言えば聞こえが悪いが調査兵団に在籍する限り犠牲者が出るのは仕方ない事だ
心臓を捧げ 覚悟を持って調査に挑んで行く…そんな者達の集まりなんだ調査兵団は」




【巨大な壁の向こうに巨人がいて人を食べる】

という事実を…私はおとぎ話のように聞いていた



「私は平和で便利な世界で生温く育った
この世界に来てからも始めからリヴァイに守られて それからファーランにもイザベルにも守られて生きていた そして今は調査兵団の中で守られてる

だから…私はこの世界の本当の残酷さを知らない

そんな私が調査兵団に居ていいのか分からない

そんな覚悟のない私が調査兵団に居るから…あの2人は私に怒りをぶつけて……


あの2人は怒っていたんだよ 毎日必死で訓練をして生き残る為に頑張っている人達の中で 私だけ守られて生きている…」




「そんな事は無い!自分勝手な理由で暴力をふるい 女の体を好きにしていい訳がない 絶対にだ!!」


ハンジがテーブルを叩き 身を乗り出した


「カナコも特殊な環境にいたんだ 地下街なんて全人口のわずかな人しか暮らしていない所だよ それに調査兵団だってわざわざ危険な壁外に出ていくただの変人の集まりだと思われているんだから!

確かにリヴァイに守られているけどそれは悪い事じゃないよ
守られている事を負い目に感じなくていいんだ 愛されているって事は素晴らしい事なんだから」



卑屈になっていた私をハンジは真剣に怒り励ましてくれた


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