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【進撃の巨人】月と青い鳥

第11章 リヴァイの選択



『上手くやればチャンスだぜ お前ら空をみたくねぇの?』


『書類手に入れて王都で暮らせるようになったらさ ぶんどった金はどうでもいいもんに使うんだ』




「てめぇは…全部分かっていたのか!お前を狙っているって分かってて俺達を調査兵団に入れたのか!!」


ブレードを首に当てられても顔色ひとつ変えずに真っ直ぐに俺を見返してくる


「無様だなリヴァイ…」


「2人の命の割にあわねぇ…上の奴らのくだらねぇ駆け引きに巻き込まれたもんだ てめぇも俺も」


ブレードを上げ降り下ろす

ミケが背後からブレードを抜き駆け寄る気配がした が その刃は俺に届かなかった


エルヴィンから血が流れた…

エルヴィンは俺のブレードを素手で掴み止めた


「くだらない? 私の部下を お前の仲間を殺したのは 私か?お前か?

一緒に私を襲いに来ていれば仲間は死ななかったか?答えろ!」

エルヴィンの圧倒的な気魄に俺は気圧されブレードを握る手が落ちていく


「そうだ…俺のおごりがクソみてぇなプライドが…」



あの時…俺の選択は…間違ってい…た



「リヴァイ…後悔はするな」


気が付くと俺は膝を着き地面を見ていた

顔を上げると左手から血を流しながら立って俺を見下ろすエルヴィンがいる


「後悔の記憶は次の決断を鈍らせる その感覚は次に選択を迫られた時に他人に決断を委ねてしまうだろう そうなればお前が死ぬだけだ

結果などはじめから誰にも分からない ひとつひとつの決断が次の決断へと繋がり初めて意味を持つものだ」


「リヴァイ…巨人はどこから来た?何の為に存在して 何故人間を喰う?

我々は何も分からない 無知でいる限り喰われ続ける この壁のない空間に絶望を希望に変える何かがあるかもしれない

お前にはどう見えた?お前の目は曇ったままか?

私を殺しカナコを連れて暗い地下に逆戻りか? それとも壁の中を逃亡者として2人で逃げまわるのか?」


どう…する?
雨が上がり雲の隙間から日がさし込みエルヴィンを照らした

「周りを良く見ろ!!

私に着いて来い!!

調査兵団で戦え!!

お前の能力が人類に必要だ!!」



凛と響く迷いの無い声に

見上げた先にたたずむエルヴィンの姿に

カナコとは違う鮮烈な光を見た

その一瞬で俺の心臓は大きな衝撃とともに撃ち抜かれた

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