第11章 リヴァイの選択
目の前の4体の巨人が俺に向かってくる
遅せぇよ… 今の俺の感覚ではコイツらの動きはクソだ
1体は目を もう1体は足首を狙い動きを止めた
あとの小せぇ2体にアンカーを打ちワイヤーを巻き上げ 体を回転させて遠心力を使いうなじを削ぎ落とす
足首を切り落とした巨人は無様に地面を這っている 先にそいつのうなじを削いでから 目を潰した巨人の肩に降り立った
「人間は美味かったか?答えねぇならお前も死ね」
ファーランを喰った4足歩行の奇行種が残った
舌をだらりと出して 獣のように呻き咆哮をあげる
背中にワイヤーを打ち込みそのまま巻き上げる勢いにまかせて背中を刻んだ
俺へと伸ばした腕を切り裂き開いた手を細切れにして首を切り落とす
奇行種の首が飛び地面に落ちる頃うなじを削ぎ落とした
無駄だ…無駄なんだ
切り刻み細切れにしても 4人は戻っては来ない…
可愛げもない俺達を助ける為フラゴンは命を張った
『俺は仲間以外の命に責任は持ちたくねぇ』
昨日ファーランとイザベルに言った言葉が頭に響いた
こんな俺達を仲間だとフラゴンは思ってくれてたのか…
『外の世界を人類に取り戻す為の礎になるなら仲間や人類の為に心臓を捧げる事に誰1人として悔いはないだろう』
昨日のエルヴィンの言葉が重くのしかかる
巨人から蒸気が上がり 雨がやんだ頃エルヴィンの班が俺の所へと近づいてきた
「生存者はお前だけか?」
足元のファーランの遺体から俺は目を離せないでいた そしてこんな状況でもエルヴィンの声は俺の耳に凛と響く
俺はエルヴィンに飛びかかり馬から引きずり下ろし 首にブレードを突き付ける
「ミケ来るな!
俺は…俺はてめぇを殺す為にここにいる!」
顔色ひとつ変えずエルヴィンは俺を見据え ジャケットの内ポケットから書類を出して俺の足元に投げつけてきた
「ニコラス・ロヴォフの不正の証拠書類…」
知っていたのか…コイツは
「残念だが…遅かったこれは もう必要ないだろう 足元にある証拠書類…それはダミーだ
本物はもうダリス・ザックレー総統の手元にある
どんな条件を提示されたか知らないが ロヴォフは終わりだ」