第11章 リヴァイの選択
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濃い霧の中 中央へと走って行く
少し雨が弱まり霧が薄くなった…雨の匂いに血の臭いが混ざる
周りが見えるくらいに霧が晴れた頃 沸き上がるように血の臭いが濃くなった
前方に広がる光景は 人は喰い荒らされ 馬は踏み潰され 辺り一面が赤い血に染まり1つの班が全滅していた
わずかに息のあった団員が俺の姿をみつけると 黒の信煙弾を放った
黒の信煙弾…緊急事態
俺の来た方角を指差し「奇行種…」と声をあげた後 倒れて動かなくなった…
俺は…すれ違ったのか!?
4…5体の巨人の足跡が俺の来た方角へと続いている
この数じゃ…アイツら4人で捌くのは無理だ!!
急げ!間に合え!
向こうも霧は薄くなってるはずだ…多少は戦闘条件は良くなっててくれ!
「サイラム!!」
イザベルの叫び声が聞こえた 生きてる!
霧は多少薄くはなってるが姿はぼんやりとしか見えない
雨もまだ降り続いて 地面がぬかるみ馬の速度が上がらない
ファーランの馬が泥に足をとられ転倒したのが見えた が 俺の馬も泥で滑り俺も落馬した…
体勢をととのえファーランの元に走ろうと手を付いたその時 何かが落ちて転がってきた……
イザベルの頭……頭だけが転がり俺を見た
息を飲む…全身が震え 血が沸騰する 感覚が鋭くなりその代わりに音が消えた
「ファーラン!!」
フラゴンが1体を倒したが霧の中から現れた巨人に喰われた
4足歩行をする奇行種が霧の中から凄まじい早さで現れファーランを咥えたまま空を見上げた
間に合え!
間に合え!
俺は間違えたのか?
俺の…俺の選択は…間違いだった
「ファーラン!!!」
奇行種の体にアンカーを打ち飛んだ
極限に研ぎ澄まされた感覚は目に写るものをスローモーションに見せる
俺の声が届いたのかファーランが驚いた顔をして俺を見た それからいつもカナコに見せてる笑顔を俺に向けた
ダメだ!あきらめるな間に合え!
目の前にファーランの上半身が落ちてきた…
「おい…ファーランは…イザベルは…フラゴンにサイラムは…美味かったのか?教えろよ このクソ野郎が!!!」
「答えろ!! 答えろよ!!」
不思議と頭は冴えて体が軽く感じた