第6章 想いが止まらない
ん……?よく見るとそれは手紙のようだった。
「デカパン……?」
俺が拾ったそれはデカパンからで、後ろをめくってみると『カラ松へ』とみたことがある字で書かれていた。急いで手紙を広げてみる。
「これは……。もしかしてブラザーは俺を心配しているのか……!?」
その手紙にはブラザーたちの心配している声がたくさん記されていた。よく考えてみたらこの世界に2週間もいることを忘れていた。俺はハニーとの生活が楽しくてブラザー達との生活を少しだけ、ほんの少しだけ、忘れてこちらの世界を楽しんでしまったようだ。ブラザーたちの言葉に涙が滲んだ。
「確か……おそ松が手紙を書けば届くと書いてあったな。」
心が追い付かないまま、今までの出来事やこちらでのハニーとの出会いのこと、ハニーと付き合っていることは……記さないでおこう。後からいろんなこと言われそうだからな。こちらの世界では「おそ松さん」というアニメがやっていること全て書き記した。それから、この世界からいつ帰れるのかも書き記し俺は手紙を綴じた。
「しかし……これどうやっていくんだ?」
カラ松が手紙をテーブルの上に置いた瞬間パーっと光だし、その手紙は姿も形も消えてしまった。
「すごいな。さすがデカパン。」
その場から手紙が消えると、俺は、みちるのことを思い出し帰りたくないこの気持ちと、ブラザーたちを悲しませたくない気持ちで心が揺れていた。
「そうか……俺は帰らなくてはいけないのか?みちるはどうすれば。」
そう思っていると自然と涙が溢れてきて、俺は誰もいない部屋で声を荒げて泣いてしまった。