第5章 目の前にあなたの顔
夢を見ていた。そこにはカラ松も一緒にいて、楽しいなんてもんじゃないくらい。すごく素敵な夢を見ていた。一緒にドライブに出かけたり、一緒にケーキとかパフェを食べ合ったりして、何とも都合が良すぎるくらい楽しい夢を見ていた。だんだんカラ松の顔が見えなくなって、それと同時に切なさが込み上げて、私はその思いに耐えきれなくなってしまって、嗚咽を上げてカラ松を強く呼んでいるとても悲しい夢。
「はっ……!嫌だ!行かないで!」裸のまま手を前に向かって差し出してしまっていた。私は長い夢を見ていたように感じる。隣を見るとすやすやと寝息をたてて目を瞑るカラ松の姿がそこにはあった。
「私は……この人と一緒にいたい。いたいのっ!!」そう小さく呟き1人で泣いた。カラ松は疲れていたのか起きることはなかった。泣きながら、カラ松にゆっくりと抱きつく。カラ松はそれに応えてくれるように、ゆっくりと抱きしめ返してくれた。
「おはよう……ハニー。」
カラ松がゆっくりと目を開けるとそこには、グスグスと涙を流しているみちるがいた。
「どうしたんだ!?!昨日やっぱり嫌だったか!?どこかいたいのか!?」
「そうじゃないの……!カラ松がどこかに行ってしまうような気がしただけなの。行って欲しくない。カラ松がいなくなることが怖いよ……。」
「大丈夫だ、俺はここにいるよ。」
カラ松は真剣に私に目を向けてきた。2人の唇が重なる。そのまま私はカラ松に押し倒された。
「今日は2人でどこかに出かけないか?」
「カラ松?うん。私もカラ松と一緒に出かけたい!」
「ああ、デートだな。」
ニカッと笑うカラ松はとても眩しくて、私はカラ松に上から見下ろされているだけで、顔が真っ赤になってしまうようだった。
「みちるその、お風呂、一緒に入るか?」
照れくさいのか下向き気味にボソボソと喋っている。ちょっとだけ18歳のカラ松の気配を感じてしまった。
「うん!ちょっと恥ずかしいけど、カラ松と入りたいかも。でも家のお風呂狭いけどいいの?」
「それなら大丈夫だ。」
お互い脱ぎちらかしてしまった服を持ち脱衣所に向かう。一緒に洗濯をし、2人して裸のままお風呂へ向かうと、カラ松がシャワーを調節してくれていた。