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現代に降り立ったカラ松くん

第2章 そんな理由での逆トリだったとは……。


なんとなく、その確信はあったし、まあ夢だと思えばその通りではあるんだけれども、こうも丁寧に書かれているとそれは確信に変わった。しかし、カラ松にそれをいうのは違うというのは理解していたので言わなかったが、「俺は一ヶ月後には帰れるということか?」と横を向くとカラ松はホッとした表情を浮かべていたのである。
 
 そりゃそうだ、私だって異世界にずっといて別の異性と暮らしているよりだったら、帰れることを望むだろう。カラ松にとってはそれが幸せ、兄弟と一緒にして、元の世界にいることがこの上ない幸せなのだ。

 しかし、私は今の状況を手放したくはない、でもカラ松の幸せを考えるとこの幸せを手放しても兄弟の元へ返すのが先決だと誰だって思うだろう。私はそこまで欲張りにはなれない。「カラ松さんもしかしたら元の世界に戻れるかもしれませんね!」早口で巻くしたてて、この気持ちは押し殺そうと思いカラ松をとどまらせたいという思いを自分の中へ閉じ込めた。

 「あぁ、そうだな。もしかしたら帰れるのかもしれないな。」と嬉しそうな表情でこちらを見つめてきた。その表情に私は少し胸に痛みを感じた。

 カラ松と一緒にアパートへ戻り、寝る準備をしてからカラ松の方へ向き直った「では!1ヶ月という短い間かもしれませんがこれから仲良くしていきましょうね!」「あぁこちらこそ迷惑をかけてしまうが、よろしくな。」とカラ松も嬉しそうに返答してきた。
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