第4章 素直 前編【※錆兎】
義勇が完全に二人の前からいなくなると、陽華は地面に置いた自分の荷物を拾い、錆兎に背を向けた。
「じゃ、私も帰るわ。」
そう言って歩き出す陽華の手首を、錆兎が掴んで引き止める。
「待てよ。まだ時間があるなら、ちょっと付き合え。」
顎でくいっと付いてくるように指示され、陽華は俯くと、小さく「わかった。」と呟いた。
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「……っ…、んっ…、」
山下りの途中で見つけた、今は誰も使ってない山小屋。その小屋の中で、陽華の荒い息遣いが静かに響いていた。
「…っ…、もう!そこばっかり、しつこいわよっ!」
「暴れるな。ちゃんと濡れてないと、お前だって辛いだろうし、こっちも痛いんだよ。」
小屋の壁に手を付いて、背を向ける陽華の身体を、錆兎は後ろから手を回して弄る。
錆兎の言葉に、大人しくなった陽華は、目を瞑り、耐えるように額を壁に押し付けた。
態勢が前かがみになると、はだけた隊服から、巻いていたサラシが落ち、ぷるんと大きめの果実が垂れ下がるように姿を見せた。
錆兎はその二つの果実を、後ろから回した手で、下から包むこむように掴むと、優しく揉みしだく。
(こいつ…胸…でかいよな。)
普段はさらしで抑えられ、その姿は隠しているが、こうしてさらしを外して、直に触れるとわかる。錆兎の大きな手でも、余るほどの大きさ。
錆兎はその柔らかい感触を、楽しむように揉みしだき、敏感な先端を弄ぶように摘むと、優しく擦り合わせた。
その手の動きに、陽華の身体が小さく震える。けして声には出さないが、荒くなった吐息で、感じてくれてることがわかると、錆兎の下半身も、熱を持ってくるのがわかった。
今、どんな顔をしているんだろう?この美しい顔はどんな風にして、快楽に歪むのだろうか?
そんなことが、錆兎の頭に小さく過る。
しかしそれを見ることは、許されない。この行為は、愛し合う恋人同士がするような、そんな甘い行為ではないのだから。
いつからだろう。罵り合ってばかりの陽華と、こうして身体を重ねるようになったのは。