第3章 先輩【※冨岡義勇】
「あのな、俺は表情筋が死んでるだけで、中身は普通の男子高校生と変わらない。お前が無遠慮に、下着を見せつけてくれば、それなりに反応もする。」
そう言って義勇は少し、恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「あっ!いま先輩、少し恥ずかしそうな顔をしてましたよ!」
「そんなことない。」
指摘されて、義勇が即座に否定する。そんな義勇を、陽華は上目遣いに覗き込む。
「じゃ、もっとすごいことしたら、先輩の違う顔、見れますか?」
「すごいこと?」
「……例えば、胸を触らせて…あげる…とか?」
「なっ!?」
今度は明らかに義勇の顔に驚きが走り、陽華の顔がパッと明るくなった。
「あっ!また先輩の顔、変わりましたね?ほらっ、試してみましょう?」
「お前、自分で何を言っているか、わかってるのか?」
中身は普通の男子高校生に、女子高生の胸を触らせる。それがどんなに危険な行為か、わかっているのか。
義勇がそう言おうとして、口を開き掛けると、陽華はニヤニヤと義勇をからかうような視線を向けた。
「もしかして、怖がってるんですか?」
陽華にそう挑発されて、義勇は大きく息をはいた。
「どうなっても、知らないからな?」