• テキストサイズ

【鬼滅の刃】屋烏之愛【新装版】

第8章 指南【※竃門炭治郎】





炭治郎が宇髄邸で特訓した日から、程なくして、その機会は訪れた。

久々の合同任務で一緒になった陽華に、任務後、炭治郎は大真面目な顔で、正々堂々と同衾を申し出た。

「陽華っ!…こんなこと言ったら、しつこいと思われるかもしれないけど、でもやっぱり…この間のことを、挽回させてほしいんだっ!!……だから今から…俺と……っ、」

そう言って、真っ直ぐに見つめられ、陽華の顔が赤く染まった。

こうした炭治郎の真っ直ぐな性格や、裏表のないところが好きで付き合ったが、こんなにはっきりと誘われると少し恥ずかしい。

少しの沈黙した後、陽華は恥ずかしそうに俯くと「うん、いいよ。」と小さな声で答えた。







そうして立ち寄った近くの街の旅館。


旅館の浴場で湯浴みし、部屋に戻った炭治郎の心臓は今にもまろび出そうなほどに高鳴っていた。

部屋には先に風呂から帰っていた陽華がもういて、鏡台の前で湯上がりの髪を手ぬぐいで乾かし、櫛で梳かしていた。

「炭治郎、おかえり。」

そう言って微笑んだ陽華の姿を見ると、陽華は旅館側が用意してくれた、体の線が浮き出る薄地の寝間着の浴衣のみで、炭治郎は慌てて視線を逸した。

「あぁ…、た、ただいま…っ!」

しかし逸しても、視線の先に広がるのは旅館側が敷いてくれた二組のお布団。

否応なしに、反応する。

(勃つなっ!落ち着け、俺っ!今からこれじゃ、本番保たないぞっ!あぁでも…、風呂上がりの女子って、なんでこんなに良い匂いがするんだ!!)

炭治郎は落ち着かせるため、一つ深呼吸をすると敷かれた布団の上に正座で座った。

それを見ていた陽華も立ち上がると、炭治郎の前に座り、その顔を恥ずかしそうに見つめる。

(うぅ…、可愛いなぁ。)

その可愛さにもう怯みそうになる。炭治郎は落ち着けるためにもう一度深く呼吸し、陽華を真剣な目で見つめた。

「陽華、いいか?」

「うん、なんか二回目なのに一回目より緊張するね?」

そう言って微笑むと、陽華は瞳を閉じ、口角を上げ、静かに炭治郎を待った。炭治郎は腰を浮かせると陽華の両肩を掴み、静かに唇を重ねた。








/ 393ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp