第6章 素直 後編【※錆兎】
顔を真っ赤にさせて、はずかしがる陽華に、錆兎が寂しそうに声を発した。
「冷たいな。俺はずっと、お前を満足させたくて、頑張ってるのに…、お前は触ってもくれないのか?」
切なそうに言うと、陽華は半身を起こして、錆兎に気まずそうに問いかけた。
「……触って…欲しい…の?」
錆兎がコクリと頷くと、陽華は恐る恐るソレに片手を添えた。
「……硬い。」
「興奮すると硬くなるんだ。今はやばいくらい、興奮してる。……なぁ、両手で握ってくれないか?」
戸惑う陽華を、さらに焚きつける。陽華はもう一つの手で、包むこむように握ると、焦ったように錆兎を見た。
「ねぇ…錆兎、……これ、このあとどうすればいいの?」
「上下に扱いて、先っぽをその可愛い口で、咥えてくれないか?」
「えぇ!?」
陽華が驚きに目を開いて、口をパクパクさせた。その姿に錆兎が小さく吹き出す。
「冗談だよ。よく触ってくれたな?ありがとう。」
そう言って頭を撫でると、陽華は少し申し訳なさそうに、錆兎から手を離した。
「…………錆兎、」
「ん、どうした?」
小さい声で話しかけられ、錆兎は陽華に顔を近づけた。
「…まだ、その…、心の準備が出来て…ないから…その…、いつかは…、」
それは、いつかは口でもしてくれると言うことか?
錆兎の視線が陽華の唇に向く。あの小さな可愛い唇が、自分のモノを咥えて…、顔を苦しそうに歪ませながら、上目遣いで見られる。
……この妄想だけで、三回は抜けるだろっ!
そんなことを思っていたら、不思議そうな顔で、陽華が錆兎を見た。
「どうしたの?」
「いや…なんでもないっ!」
慌てて答えると、錆兎は優しく微笑みながら、陽華を見詰めた。
「でも、無理しなくていい。お前の嫌がることはもう、したくない。」
その錆兎の優しさに、陽華は嬉しそうに小さく微笑んだ。