第65章 ❤︎ 露天風呂で彼女を弄んじゃう侑
今回の二連休は俺にとっても久々のオフだった。普段、遠征で離れてる時間もあるし、付き合って二年の記念日も何もできないままなのに文句も言わず俺のそばにいてくれるいちかとたまには二人きりの時間を下心ありで過ごしたかった。
ほんでなんとか一泊二日で予約の取れた高級旅館。旅行好きないちかは俺の誘いにも大喜びで数週間前から楽しみしていた。けど料理やおもてなしの良さに満足しているいちかを他所に俺の目的は混浴の露天風呂。混浴とは告げずに連れてきた露天風呂は旅館からは少し離れた場所にあって、人の気配もなく川のせせらぎだけが聞こえる静かなところだった。
「ねぇ、ここ混浴って書いてるけど…」
「今、誰も居れへん」
「でも絶対途中から誰か来るって」
「そん時はそん時で。俺が見えへんように隠すから大丈夫やって」
「嫌や。部屋のお風呂でもいいやん。ちっちゃい露天風呂あるやん?」
「旅館着いた時に入ったやろ?」
「私はあれくらいで十分ええもん」
「まぁごちゃごちゃ言わんとここまで来たんやし入ろ。俺と思い出つくろっ」
“な?”と尻込みするいちかの手を引いて女湯の脱衣所へと無理矢理押し込む。
「ね、本気?」
「さっと入ってさっと出よや?誰か来たらそれこそ気不味いやろ?」
「ほなさっと入ったら出るよ?約束やで?」
「分かった分かった。約束するから」
「……うん」
「じゃあ俺も脱いでくるわ。逃げたらあかんで」
そう念を押した数分後、タオルで前を隠したいちかが周りを気にしながら出てくる。月明かりに照らされた素肌に欲情スイッチがONになる。まぁそんな焦んな、自分に言い聞かせながら手を引いて湯船へ浸る。