第5章 ❤︎ 三日間ハメまくった記録 黒尾鉄朗
最終日のデートに選んだのは日本最大級、驚安の殿堂といわれる某総合ディスカウントストアだった。いちかはデートのついでに立ち寄ったと思ってるだろうけど俺の目的の場所はここ。ご機嫌な様子で助手席から降りて今日は短いスカート履いてよってお願いも嫌な顔せず応えてくれて秋らしいチェックのハイウエストのスカートから白い脚が覗く。Aラインの裾が揺れるたびに白い太ももについ視線がいってしまう。
「何か買うの?」
「そうだなぁ。気にいるのがあればな?」
「ここ初めて来たけどこんなに広いんだね」
「そうだな。俺も久しぶりに来たけど騒がしい店内だな」
「私は好きだけどこういうの…。あ、待って、パック安い」
「買うもんあったら適当にカゴに入れとけ」
「うん。お菓子も買っていい?」
「いいよ。けど買い過ぎるなよ?」
ざっくばらんに商品が犇めく店内をいちかの手を引きながら進んでいく。側から見たら只のカップルの買い物する風景にしか見えないだろうけど店の隅のカーテンで閉め切られた一角に近づくにつれその状況は変わってくる。
“18禁”と書かれたその場所付近にはいつ来ても異様な雰囲気を醸し出している。そのままカーテンをくぐろうとするといちかするとは裾を引っ張って不安そうな目を向けた。
「ここ、入るの?」
「そうだけど…」
「でもここ18禁コーナーだよ?」
「俺らとっくに成人してんじゃん」
「年齢はそうだけど、でもいいの?」
「なんで?」
「ここって男の人だけしか入れないんじゃないの?」
「んなことねぇよ。普通にカップルだって利用してるだろ?お前、こういうとこ行ったことねぇの?」
「ない。だって一人で入る勇気なんてないもん」
「だったら今日は社会勉強って事で入ってみろよ。楽しい事したいんだろ?」
「…そうだけど」
「お前だってただの買い物で終わるなんて思ってなかっただろ?」
“うん”と頷くいちかの手を引きカーテンをくぐると男性客が数名ほどいた。というか男性客しかいなかった。女性客に驚いたような表情をする奴、いちかに気付くと足早にその場を離れる奴、じっと見つめる奴、反応はどうでもいいけど俺はそのまま奥のアダルトグッズが並ぶコーナーに足を進める。