第60章 ❤︎ 射精管理 白布賢二郎
≫賢二郎side
通常業務に加えて緊急搬送、急変、当たりの多かった当直が続き、俺は疲労困憊だった。病院を出て午前の眩しい日差しに目を細めたのははっきりと覚えている。だけどその後はどうやって家まで帰ったのかも記憶が曖昧でさっさとシャワーを済ませると自分のベッドに埋もれると気絶するように眠った。
途中何度か覚醒しながらも眠り続けた。何時間寝たのかも分からない。ただ普段感じることのない圧迫感と違和感で俺は目を覚ました。
「おーはよ。ってもう夕方だけど…」
「何…、なんで…」
恋人であるいちかが俺に跨っている。でも違和感はそれじゃない。恐らく生理現象で勃っていたものが温かくて柔らかい粘膜に包まれて騎乗位で繋がっていた。視覚と感覚と意識が合致して一気に体の感覚が覚醒していく。
「マジで何?意味、分かんないんだけど」
「忙しい先生の性欲処理に来ましたぁ」
「は?」
「だって賢二郎、Tシャツにパンツだけで寝てたし、風邪引いちゃいけないと思って服着せようと思ったら勃ってたんだもん」
「生理現象だから…」
「知ってるよ。でもさ、賢二郎が起きた時に繋がってたら面白いかなってちょっとしたサプライズだったの」
「よくこんなこと思いつくな…」
「だって最近忙しくて賢二郎としてなかったし。ね、気持ちいいお目覚めだった?」
「……微妙。一旦抜いて。するのはいいけど、ゴムも着けてないし…」
「えー、やだ。私はこのまましたい。大丈夫だから」
「しないとは言ってない」
「じゃあもう少しだけ…。私、このままイけそうだもん」
「だから後で…」
いちかはむすっとした顔で俺を睨む。俺だって嫌なわけじゃないしいちかからしたいって感じてくれるのは嬉しかった。でも久々のセックスが無防備な状態から一方的に進められてたのが気に入らなかっただけ。