第5章 ❤︎ 三日間ハメまくった記録 黒尾鉄朗
「んじゃ、俺もそろそろイカせろよな?」
後背位で繋がったまま腰の角度を変えて一旦呼吸を整える。ちょっと突けば“ひっ…”と悲鳴にも似た声を上げそれが再スタートの合図。
「先にイっとけ、な?」
「や、…だぁ。…ぁ、あぁ…っ」
いちかがいつイッたかなんてもう分からないくらいにスピードを加速させて目の前が真っ白になるくらいに無我夢中で求めた。達する瞬間を前にまだ終わらせたくない…そんな欲がふっと湧いたのを感じていた。
互いに滲む汗を拭いながら規則的な呼吸を肌で感じ余韻に浸る。疲れ切っていたはずなのにむしろ意識はすっきりとしていた。
「もうほんと鉄朗には敵わないよ
「俺だってこんな骨抜きになるくらいヤった事ねぇよ…。昨日はほんとやばかった、男なのに情けない」
「そんな事ないよ。鉄朗はいつも格好いいし」
「そう?」
「うん。この三日間は忘れられないね。ほんとにありがとう」
「何?もうお終いなの?まだ今日は始まったばっかなんだけど」
「でも明日からまた仕事でしょ?さすがに一日付き合ってもらうのは悪いよ」
「何言ってんの。お前の事奪いたいって言ったでしょ?そのためには1秒だって無駄にしたくねぇの、俺」
「…でも、いいの?」
「元々そのつもりだし…」
「そっか。じゃあ甘えさせてもらうね」
「今日1日かけてお前を落とすつもりでいくから」
「そういうとこ、格好良いよ。鉄朗は」
「サンキュ。お前も覚悟してろよ」
「うん、分かった」
「…でも……」
「でも…?」
「最終日だしさ…、どうせなら普段できないような面白いこと、しようぜ?」
俺の意味深な笑みに何かを察したいちかは恥ずかしそうに俯きながらも小さく“うん…”と頷いた。
next.*