第54章 ❤︎ 京谷健太郎×夢主=ブラックな岩泉一
濃厚な絡みの後、すっかり体力も回復したらしいいちかは柑橘系の香りするシートで汗を拭き取りながら真新しいシートを京谷に渡す。
「使う?」
「……いらねぇよ」
「あれ?なんか怒ってる?賢太郎君、もしかして気持ちよくなかったの?」
「アンタら、マジで狂ってる…」
「ここにいるお前も一緒だよ」
「違ぇよ」
「ええ?違うの?」
「京谷も素直に従ってたんだからいちかとセックスしたかったんだろ?俺だってお前が後輩じゃなきゃさせてねぇからな」
「そうなの?」
「言っとくけど俺以外に抱かれるのとか許さねぇから」
「ええー?そんなこと一度も言わなかったくせに」
「言ったら調子乗るだろ?」
「乗らないもん。悪い気はしないけど。でももう私賢太郎君のこと好きになっちゃった」
「いや意味わかんねぇし」
「だって強面な顔とは違って可愛いし、素直じゃないのに従順だし、手放したくないんだもん。エッチはこれから頑張ってお勉強してこ?」
「つーことは京谷、お前もいちかのお気に入りになったってわけだ。後輩だから特別許してやるよ。けどヤる時は俺も呼べよ」
「…ったくもう、一は独占欲強いんだから」
「いちかだけにだよ」
「俺はアンタらについていけないっす」
「それはダメ」
「いや、だめって言われても」
「私ね、賢太郎君のこと、本当に好きだから。絶対、好きにさせるから」
“………だから、私達のおもちゃになってね?”
“賢太郎君に拒否権はないから”
逃がさない、そう口角をあげて笑ういちか。
味わったら最後、俺も含めて誰もいちか逆らえねぇんだよ。
fin.