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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第50章 ❤︎ 何年たっても特別な日は変わらない 岩泉一


これはまだ高校生だった頃のお話。


6月10日。この日は朝からずっと落ち着かなくてソワソワしたりドキドキしていた。

日付が変わる瞬間に“おめでとう”って電話で伝えたし、本人希望のプレゼントも昼休みにちゃんと渡したけど、今日のメインはなんといってもみんなでお祝いする一君の誕生日会だ。

学校終わりは一足先に彼の家にお邪魔してお母さんと一緒に料理を作る予定だった。とは言えお邪魔した時にはほとんど完成していて結局手伝えたのは盛り付けと味見くらい。にこにこしながら“私はお邪魔だから”と出かけた後、部活を終えた一君たちが帰ってきた。


「今日も相変わらず美味しそうな料理の数々だね」
岩「お前も来るって言うんで昨日から作ってた」
「そう言ってた。私が家に来た時にはほとんど全部出来てたもんね。味見担当だった」
岩「張り切りすぎだよな。別に誕生日だからって特別なもん作らなくていいのに」
「いいお母さんじゃん。私にもすごく優しくしてくれるし」
岩「女の子が欲しかったらしいから可愛くて仕方ないんだと。あ、ちょっと箸取って」
「割り箸でいい?」
岩「あーそれ、……さんきゅ」
花「……なんというか…なぁ、まっつん」
松「新婚の家庭にお邪魔してる気分だな」

席についている松川と花巻はニヤニヤしながら私たちを見ている。

花「今更だけど俺たちも来てよかったの?誕生日なんだし二人っきりで過ごしたかったんじゃない?」
「でもさ、せっかくの誕生日なんだから皆でお祝いしてあげたいなって思って」
岩「昔みたいにそんな嬉しいもんでもねぇから俺はいいっつったんだけどよ」
花「いやいや誕生日なんて特別でしょ」
松「恋人の一大イベントでもあるよな」
及「だから俺たちが積極的に参加しなくちゃいけないんでしょ?」
花「なんでそうなるんだ?」
及「だって誕生日に二人きりなんて不健全極まりないじゃん」
岩「んなドヤ顔で言う事かよ」
花「むしろ恋人の一大イベントの時くらい不健全でもよくない?」
松「俺だったら迷わず彼女優先」
花「だよなぁ」
「ちょっと健全とか不健全とかやめてよ、なんでそういう話になるの?」
岩「及川が言い出したんだろ?こいつだけ先に帰すか?」
及「帰らないよ。岩ちゃんのお母ちゃんが作った揚げ出し豆腐ちゃんと食べて帰るし」
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