第48章 ❤︎ 処女相手にあまぁいセックスをするイケオジ岩ちゃん
「もう平気か?」
「まだ少し痛いです」
「じゃあ時間ギリギリまで寝てろ。少しくらい延長してもいいから」
「……はい」
「悪かったな。…男は気持ちいいだけなのにフェアじゃねぇよな」
「そんなことないです。あんな魔法にかけられたみたいな時間、初めてです」
「そういうもんなのか?」
「男の人ってそうじゃないんですか?」
「まぁ抱いてる時はそうかもしれねぇけど、終わった後って結構現実に戻んだよ」
「賢者タイムってやつですか?
「かもな…。お前、さっき好きとか言ってたけど、俺には嫁がいるしお前と付き合うとか今はまだそういう気はなれねぇ」
「ちゃんとその辺は弁えてますから。困らせるような事はしません」
「けどひとつ言っとくわ」
「何ですか?」
「抱かれたくなったら、俺に連絡しろ」
「え、でも…」
「いいから」
「それ狡くないですか?」
「お前に好きな男ができるまではな。その辺の適当な男で済ませるよりは安全だろ」
「そうですけど…。でもそれって私を手放したくないってことで解釈していいですか?
「好きにしろ」
「じゃあ慣れるまで、もう少し付き合ってくださいね?」
「お前が望むんならな…」
「好きになってくれてもいいんですよ?」
「ならそうなった時は責任とれよ?」
「喜んで。私、本気で先輩を奪いにいきますから」
誤魔化すようにふっと笑って乱れた髪の毛を撫でて“バーカ”って揶揄うような言葉に少し胸が痛んだ。手を伸ばしてもまだ届かない存在なんだって分かってるのに甘い感覚に期待してしまう。泣いちゃいそうな顔を見られたくなくてぎゅっとしがみつくように両腕を回した。
「あと少しだけ、こうしててください」
ずっと願っていたことが現実になった日。
優しく触れてくれた時間が確かに在った。
日付けはもう26日に変わっていて夢みたいな時間は過去の話。
欲張りすぎる願い事はきっと叶えてくれない。だから例え私にくれた言葉が嘘でもいいから私を抱いたことを忘れないで…って小さな願い事だけ心の中で呟いた。
fin*