第46章 ❤︎ 超絶信頼関係 岩泉一 及川徹
「ねぇ岩ちゃん!もうおつまみないよー」
「だったらその辺の草でも食ってろ」
「何、その扱い…。いくら俺が海外のスター選手だからってさすがに草は食わない」
「んなもん関係ねぇだろ」
「だよね。今のはちょっと酷いなぁ。草はないよね、草は…。私がなんか作ろうか?」
「え?ほんと!?いちかちゃんの手料理食べられるの?」
「いいコンビニに行かせるから」
「なんで俺?」
「人ん家で飲んでるんだからそのくらいいいだろ?」
「じゃあ後でー。もう少し酔いが冷めないとまともに歩けない」
「今日はちゃんと帰れよ。泊めねぇから」
「どうせあれでしょ。俺が帰った後は2人でいちゃいちゃする気なんでしょ?岩ちゃんの事なんでもわかっちゃうから余計むかつくよねー。手料理くらい食べさせてくれたっていいのにさぁ」
「あー…でも、私の方が結構酔っちゃったからちゃんと作れないかも。…今から私が何か買ってくるよ」
そう言って立ち上がろうした瞬間、アルコールのせいかふらっとよろけそうになるいちか。慌てて手を引き寄せて抱き止めるとふにゃふにゃになりながら“ごめん”と呟くけどその目はすでにとろんとしている。
「お前何やってんだよ」
「ごめん…結構酔ったかも…」
甘えるような声を出しては目の前には及川がいるのにそのまま俺の首に手をまわしてしがみつくように抱きしめる。
「おい…」
「酔うと大胆になるタイプなんだぁ、いちかちゃんって」
「おい、今は離せって」
「いいよいいよ。気にしないで」
「先に寝るか?いちか」
「嫌。ここで一緒に飲む」
「つっても飲みすぎじゃね?」
「……大丈夫。少しペース落とすから」
むっとした表情のままむくっと起き上がる。
「……でも、この部屋暑い」
羽織っていたパーカーを脱ぐとノースリーブのワンピース。“暑い”と言って襟元をばたつかせると胸の谷間がちらりと覗く。