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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第46章 ❤︎ 超絶信頼関係 岩泉一 及川徹


蒸し暑さが体に纏わり付くような6月の半ば。及川が帰国したのを機に二人で宅飲み。窓を開けていても湿った生ぬるい風が通り抜けていくだけ、アルコールで火照った体の熱は冷めないままだった。

「あーもう飲めない。…もう無理」

ビールの缶を飲み干して“うぇ…”と漏らしながら俺を見る及川。顔色こそ変わってないけど、昼過ぎから飲み始めて俺も及川も相当な量の酒を飲んでいた。

「なんだよこんくらいで。お前、まだまだいけんだろ?」
「いけるけどさー。お酒はもっと美味しく飲もうよ…」
「んじゃ今から飲み屋行くか?」
「今更髪のセットすんのも面倒臭い」
「誰も見てねぇよ」
「岩ちゃんは彼女いるからいいけど俺は今フリーだから…。いつどこでチャンスがあるか分からないでしょ?」
「知るかよ、お前の都合なんて…」
「それはなくない?岩ちゃんが彼女との約束ドタキャンされたから俺が代わりに昼間から付き合ってんだけど?外も真っ暗だし何時間飲んでんのよ、俺たち…」
「どうせお前は暇だろ?ドタキャンっつったって急な仕事だから仕方ねぇし…」
「先に言っておくけど俺はいつも暇じゃなから。オフシーズンの今だけだから…」
「結局、暇なんじゃねぇか。…あ、悪い…。いちかから連絡だ」
「どうでいいけどさー、彼女の仕事終わったからってさっさと追い出さないでよ。ここまで飲ませたんだから責任とってよね…」

机に項垂れながら一人ぶつぶつと呟いている及川。いちかの仕事が終わったから出てけって言おうと思っても俺が飲ませたようなもんだし、ここで追い出すのもな…。

「今仕事が終わったからこっち来るって。及川いるっつったら久しぶりに会いたいんだと…。よかったな、追い出されなくて」
「ほんとに!?俺も会いたかったとこなんだよね。じゃ早速髪のセットしとこー」
「面倒臭かったんじゃなかったのかよ」
「女の子に会うんだし身嗜みちゃんとしとかないと」

俺の彼女なんだけど?って喉まで出掛かってたけど言ったところで“嫉妬ー?”とか人をイラっとさせる事しか言わねぇんだからそっちの方が面倒臭い。洗面所から鼻歌が聞こえ始め俺はため息をつきながら真新しい日本酒を開けた。
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