第45章 ❤︎ もしも岩ちゃんがスイミングインストラクターだったら…
「私が貰っていいの?」
頭が回らなくて素直になることも忘れてて、落ち着かない私の様子を見て一君は吹き出す。
「いちか、ちゃんと聞いてろよ」
「え、あ、はい!」
「結婚しよう…」
その言葉は全身の熱を上げ頭に血が上っていく。もちろん答えは決まってるけど、“はい”と答える数秒間に出会いから今までのエピソードが走馬灯のように駆け巡っていった。
「なんか、今幸せすぎて意識飛んじゃいそうなんだけど…、こんな私、…あの、不束者ですが……、よろ…」
感情が溢れすぎてちゃんと答える前に限界突破してしまった。卒倒しそうになった私を優しく抱きしめてくれたのはあの時と変わらない優しい笑み。
「やっぱお前は面白いわ。…俺の隣にはいちかしか考えられないからこれからもずっと側にいろよ」
「…うん」
今全身を包んでいる幸福感をと繋いだ手の中にある未来を二人で守っていきたい。
fin.