第44章 ❤︎ そうだ!ラブホに行こう! 岩泉一
「どれにしようか?」
「観るのかよ」
「一君は観たことあると思うけど、私ないもん」
「女には必要ねぇだろ?」
「けど興味はあるもん」
意気揚々とリモコンを奪いチャンネルを合わせ画面に映ったのは洋モノのAV。突如として始まるAV女優の裸の画面と喘ぎ声。いちかはぽかんと口を開けたまま食い入るように観ている。
AV自体にはそこそこの耐性はあるにせよ、自分の彼女がまじまじとAVを観るって違和感しかない。つかその前に恥ずかしくねぇか…これ。
「ねぇねぇ一君」
「なんだよ…」
「モザイクあるけど、あの、男の人の、……おっきいね…」
「お前どこ見てんだよ」
「だってつい目線が……」
「洋モノだかんな。そりゃでかいだろうな」
「そっか。洋モノだと声もリアクションもおっきいんだね」
「まぁな…」
「それにエッチって端から見ればこんな風に映るんだね」
「女優の方は演技だろ?」
「そうなんだ。でも初めて観たからドキドキしちゃう……。ねぇ、一君もこういうの観てやっぱりドキドキするの?」
「洋モノは興味ねぇ…」
「……あ、そっか。一君って、ナースが好きなんだもんね」
「………なんでお前がそんなこと知ってんだよ。誰情報だ?」
「花巻君」
マジかよ…。くそっ、余計なこと言いやがって…。
「…………1回、借りただけだ」
「そうなんだ。花巻君沢山持ってそうだもんね」
「そういうこと言うやめろな?男には男の苦労があんだから…」
「…そうだよね。私、女の子だからそういうのよく分かんなくて…ごめんね?」
「いいけど別に…。お前が突拍子もないこと言うのはいつものことだかんな」
ほんと突拍子もねぇこと言うし天然だしこいつについてくのがやっとなとこもあるけど。けどま、やっぱりAVなんかの女優よりも自分の彼女が1番っつーのは変わりない。