第43章 ❤︎ 俺はまだ本気出してないだけ 岩泉一
覚えているのは熱く湿った空気の中で先輩と自分の荒い呼吸の音だけ。自分の体じゃないみたいに力は抜きりぼんやりと視界は歪んでいた。初めて犯されるようなセックスをしたのにすっかり落ち着いた後は普段通りの優しいだけの先輩で怒る気も失せてしまう。
数時間後には抱かれた後の熱も気だるさも消えていってしまう…、結局はそれを名残惜しいと感じてしまった私の負けなんだろう。
先輩に熱く抱かれるのは世界で一人だけなんだと思うとそんな先輩に自分を変えられていくのも悪くないってそう思った。
Fin.