第42章 ❤︎ ラブコール 岩泉一
22時の消灯まではあと僅か…。
「はじめ…?」
「…なんだよ」
「騙すようなことしてごめんね?…嫌いにならないでね」
「あのなぁ、俺だって好きじゃなかったらこんなことまで来てこんな事してねぇよ」
「ちゃんと好きでいてくれる?」
「当たり前だろ。なにいらねぇ心配してんだよ」
「一って真面目だからこんな事したら怒ると思ってた」
「バレなきゃいいんだよ。花巻もやってんだろ?」
「というか伝統らしいよ?先生や監督にはバレてないらしいけど」
「マジで?」
「女子マネしか知らないの。…ねぇ私がマネージャーで良かった?」
「……まぁ…、結果的にオイシイ思い出来たしな」
「じゃあ明日明後日とまだ合宿はあるけど頑張れそう?」
「男って単純だかんな…」
「明日の練習試合、絶対勝ってね」
「…負ける気がしねぇわ」
「応援してるからね」
「ああ…、サンキュ」
そろそろ自分の宿舎に戻らないとさすがに怪しまれるけど、もう少し二人の時間を過ごしたかった。確か昨日は腹壊したとかで夜に花巻の姿は見なかったから、俺も腹痛の真っ最中…という事にしておく。
fin*