第34章 ❤︎ かまって…? 縁下力
「声を我慢してるいちかさん、たまらない。ここ、好きでしょ?」
「…っ……ひぁ!?」
返事をしようとするもわざと弱い部分を責めて、逃げられないようにと腰をがっちり押さえる。浅い部分から奥へと繰り返される律動。スローペースでも余裕がなさそうに眉間に皺を寄せる。
「んっ、俺ももう限界かもです…」
「うん…っ、んっ、…一緒がいい」
「…なら、……キス、してようか?」
彼の息遣いを肌で感じながら目を閉じた。全身が快楽だけに集中する。激しくても大切に扱うように抱かれて最後は全部受け止めるようにぎゅっときつく体を抱きしめていた。
行為の後はまったりと布団の中で過ごした。静か穏やかな時間。力君の大きな体に包まれているこの時間は至福に満ちている。不思議と会えなくて寂しかった心も満たされていく。
「今度はちゃんと勉強しますよ?」
「え?なんで?」
「いちかさんが優秀なのは俺も知ってますけど国試を控えているんだし」
「力君はどうしてそう現実的なの?」
「実際困るでしょう?俺、年下だから何も教えられないし」
「それはそうだけど…。あ。でも留年したら力君と同級生になれるよね」
「それ本気で言ってます?」
「まさか…」
「万が一でもそうなったらダメですよね。とりあえず、今から勉強しましょうか?」
「今から?…やだ。無理。疲れたもん」
「やることはやりましたから俺はある意味全回復です。さ、いちかさんも服着て勉強しておきましょう」
「今日はやめよう?明日!明日からやるから!」
「問答無用です。明日が休みだからこそ今日のうちにやっておきましょう」
結局派そのあとは仲良くお勉強タイムとなったわけだけど。でも力君と同級生になれるなら、私留年しちゃってもきっと後悔しないのになぁ…って言ったら本気で怒られちゃうから絶対言わないけど…。
Fin.