第31章 ❤︎ infection... 月島蛍・黒尾鉄朗
≫黒尾side
「さぁーて何をどうしようかな」
いちかちゃんは肉食獣に怯える草食系の小動物のように怯えた目で俺を見ている。ま、表現としては間違っていないけどそうやってみられるとすげーそそられるんだよな。
「とりあえず服は脱ごうか?俺が全部してやるからそのまま寝てて?」
上着を脱がせてスカートのファスナーを下ろす。可愛い顔してちょっと際どい感じの下着は誰を意識してんのよって話…。
「蛍ちゃんのために選んだの?この服も下着も」
今にも泣きそうな顔で“うん”と力なく頷く。
そりゃそうだろうな。東京旅行、蛍ちゃんと一緒にいられると思って選んできた服と下着なのに彼氏じゃない男に脱がされてんだから。
「そんなに蛍ちゃんが好き?」
「………好きです」
「ならさ、俺のことも少しは好きになってよ?蛍ちゃんが好きな黒尾さんだからいちかちゃんだって愛せるだろ?」
どういう理屈だよ…って自分でもそう思ったけど理性も失いつつあるのか“わかりました”と唇が動く。堪らず唇を重ねて吸い上げるように強引に口づける。
「バカだな、いちかちゃんって」
「だって…」
「でも黒尾先輩がちゃんと可愛がってあげるから。蛍ちゃんにも満足してもらおうな?」
「……はい」
「じゃあ四つん這いになって俺のほうに尻向けて?」
今日のためにいろいろと準備してきたんだから、それだけいちかちゃんにもイイ思いしてもらわねぇとな。
何も身につけてない裸体は俺の前で跪くように向けられる。しなやかな体のライン、白い素肌、まだ何も触れていないのに荒く感じる呼吸。
「体あっつ。熱あるんじゃねぇ?」
「さっきからずっと苦しいです…」
「息が?」
「…そうじゃなくて、あの」
ふと見れば太ももの内側は愛液が垂れ伝っている。まだキスだけで何も触れていないのにすでに出来上がっているようで欲しそうな目が俺を見つめる。