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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第30章 ❤︎ 恋に落ちる条件 松川一静


その瞬間は静かに息を呑んだ。避妊具越しでもいちかの中へ深く沈んでいくような感覚が快楽以上の幸福感を運んできてシーツを握る彼女の手を解いてそっと指を絡めてみる。照れたように笑う唇は色付いていつもよりもずっと大人びた表情に目が離せない。

「一静…」
「…ん?」
「思ってた以上に優しいから…。泣きそうになっちゃう」
「何?想像の中の俺はもっと大胆なことでもしてた?」
「そうじゃないけど。私のペースに合わせてくれてるっていうか、優しく触れる癖に気持ちいいとこばっか攻めてくるっていうか…」
「もっといちかの事知りたいって思ったから。…でも、今からは優しくできないけどいい?余裕そうに見えてるかもしれないけど全然余裕なんてないんだわ、実際」
「そんな風に見せないとこが狡いよね。……ね。…もっと深く、きていいよ?」

いちかが俺の肩に腕を回す。さっきの台詞、そっくりそのまま返したい気分だけど、ぐっと高まる感情をこれ以上抑えることはもうできそうもなかった。

「……好きだよ、いちか」
「……私も」

絡めた指をぎゅっと握り締める。握り返す細い白い指がとても綺麗に映って見える。視界の全てがいちかで埋まるこの時間がただ愛おしいと思った。



二人を繋げた出来事は必然で恋に落ちる条件なんてなかったのかもしれない。

繋がった心が二つ、それがすべて。



Fin.

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