第28章 ❤︎ 彼女に怒られました 灰羽リエーフ
彼女にバレてしまった紙袋の中の存在。
正座する俺。
睨みつける彼女。
「リエーフの部屋が相変わらず散らかってるから良かれと思って掃除してあげたの。見たことない紙袋だって中身を見るつもりはなかったけどたまたま見えちゃったの」
漫画なら青筋の一本でも立ててそうな静かな怒りをひしひしと感じる。いちかの手にはセクシーな金髪美女のヌードが載った表紙には“集まれ!金髪巨乳美女特集”と書かれてある。
「何これ?」
「黒尾さんに、貰いました」
「そう…」
「………はい」
“はぁ…”と短いため息の後、呆れたように俺を見る。そこからがすごかった。
「確かにリエーフはハーフだし金髪美女がお好みならそれはそれで納得できる。でも、私、生粋の日本人だからね。生粋の日本人でもたまにハーフか!?って思うくらい可愛い子とかいるけど私どこからどう見ても日本人だからね!なんならおじいちゃんは江戸っこだし、いろんな意味で日本人を超えた日本人だからね!」
「はい…。それは、うん。ちゃんと知ってる………」
「しかも揃いも揃って巨乳ばっか。こんな童顔で色が白くて小柄な子でさえ巨乳だし。これって私への当てつけ?」
「それはないから。こんなの黒尾さんの好みだって」
「それにしては大切そうに紙袋にしまってるんだね。私が買ってあげたバレー雑誌はベッドに雑に置かれてるのに」
「それはさっきまで読んでたから。袋に入れてたのは…、ほら、バレないように?」
「バレてるじゃん」
「はい………。すみません」