第27章 ❤︎ キタサンブラック 北信介
「…ひ、ぁぁっ」
「そんな声出してたら誰かに気付かれんで?」
「ごめ、……なさい」
「いちかの好きなとこ攻めたるから頑張って我慢すんやで?」
その言葉だけでも軽い波が襲う。私が感じるところなんて全部信介は知ってるし卑猥に耳に触れる水音だけでも中が激しくかき回されているのが分かる。
「ぁ、ぁぁ…っ」
情けない声に意識も一緒に飛んじゃいそうだった。目の前がチカチカして体の力が抜けていく…そんな時、突然信介のスマホが鳴った。
信介の体に身を預けている私の吐息が聞こえてしまうくらいの距離。なのに指の動きを止めてはくれずに平然とした表情で通話を始めた。
「お疲れ様です。……先ほどはどうも」
必死に口に手を当てて通話が終わるのを待った。今にも吐息が漏れそうなのに、ズプズプと中に指を立ててかき回す。立ってられないほどの強い快感に息をするのもやっと…。
「足りなかった分は俺が立て替えてます。また後日請求するんで気にしないでください。……はい。…分かりました。ほなまた」
声色を一切変えない信介。壁に凭れてなんとか意識を保つけど、一番奥を擦られて、もう、ダメ……そう思った時には頭は真っ白になっていた。
気がつけば信介はスマホを持ったまま私の唇をキスで塞いでいた。唇が離れた後にうっすらと感じる血の味。
「こーら。そんな可愛いいちかの声、聞かせたらあかんやろ?」
満悦感に浸っているように口角をあげる。また信介の刺激してはいけないスイッチに触れたようだった。