第25章 ❤︎ 黒尾先生との逢瀬
日が傾き始め滞在できる時間も残りわずかとなった。
「先生、別人みたいだった」
「それはお前もでしょ?」
「まだ体に余韻が残ってる…」
「気持ちよかった?」
「……うん」
「次するときはいつもみたいに優しくしてやるかな?」
「ほんとかなぁ」
「激しい方がいいなら喜んでするけど?」
「次は優しいのがいい。……でもまたここ来たいな。こんなグレードの高い部屋じゃなくていいから」
「んじゃ卒業したらもう一回ここに来る?」
「ほんとに?」
「そん時ここでプロポーズしてやるよ」
「………へ」
「なんだよ、その間抜けな返事」
「え、や…、だって」
「前から言おうとは思ってたけど進路選択に俺との結婚も選択肢に入れとけよ?」
「結婚…?ほんとに?」
「お前が進学を選択しても結婚できないわけじゃないしな」
「私でいいの?」
「俺はお前がいいの。いちかしか要らないってさっき言っただろ?」
「なんか夢みたい…。なんか幸せすぎてふわふわしちゃう」
「卒業までまだ暫くあるけどお前を誰にも奪われたくないからな…。いちかに会うたびにその気持ちが揺るがなくなってきたから言っとこうと思って」
「私も先生とそんな未来があったらいいなって思ってた」
「じゃあ卒業までの間、もう少し教師と生徒って関係楽しもうぜ?」
「うん…」
「じゃそういうことで。よろしくね、いちかちゃん…」
抱き締めて感じる喜びも会えない寂しさも全部いちかでいい。俺をここまで乱すのはこの先もずっといちかしかいない。
fin.