第24章 ❤︎ 木兎「あかーしのセフレちゃん貸して♡」 赤葦京治
「それでいい感じのところお尋ねしますが…」
「まだいたんですか?木兎さん」
「うん…、なんか逆にこの場にいてごめんって感じだよな」
「ですね。…それでなんですか?手短にお願いします」
「あの、後半なんですけどね、つまりは俺は空気…?」
「あー、そうですね。木兎さんには期待させた分、すみませんでした…」
「赤葦君あれかな?俺のナイスなアシストで真実の愛に目覚めちゃった感じ?」
「......。まあ、結果的にそういうことなんですかね。木兎さん、まとめていただいてありがとうございます」
「今更ながらやっぱり先っちょだけでもって展開にはならない?」
「なりません」
「……だよな」
「ま、俺たちは目的も終わったんで帰ります。代金はここに置いておくんで後はその変のAVでも観てテキトーにしてください」
「………そうですね、そうします」
そして明らかにシュンとした木兎さんを他所に俺たちは身支度を済ませて部屋を出た。帰りのエレベータの中で伏目がちに俯く彼女をそっと抱き寄せる。
「赤葦先輩?」
きょとんとした顔で見上げた隙に唇を奪う。エレベータのアナウンスが“行先ボタンを押してください”と告げるが、そんなことお構いなしで何度も深く口付ける。
さっきまであんなに求めていたのにもう足りないなって……。つい数時間前の自分には考えられなかった。
ただのセフレなら、こんなに愛しそうにキスなんてしないこの感情がなによりの証拠。
Fin*