第23章 ❤︎ PROVOCATION 牛島若利
その後、午後の日差しを受けながら急ぎ足で若利の家へと向かった。二人共汗だくだったのもあって真っ先お風呂に向かい、そして湯船に浸かる。
「痛っ、」
「どうした?」
ふと痛みを感じて肘を見ると擦りむいたような痕があり赤くなっている。
「あれ?こんなところ擦り剥いてる…」
「あの時にか?」
「多分。…壁がコンクリートだったし」
「痕になったらどうするんだ?」
「別にこれくらい平気だよ。それにさ、記念になるでしょ?」
「何の記念だ?」
「んー、お外で初めてしました記念?だってあんなところでしたことないから」
「お前が誘ったんだろ?」
「うん。…でも刺激的だったでしょう?」
「正直、俺はハラハラしていた…。お前の体を誰かに見られるんじゃないかと……」
「そうなの?でもそんな風に見えなかったけど」
「途中から積極的ないちかを見るのも悪くないと思ってな…。俺もまだ我慢が足りない」
「でもさ、最後は久しぶりに好きだって言ってくれたでしょ?」
「あの異常な雰囲気がそうさせただけだ」
「もう、若利はいつまで経っても素直じゃないなぁ」
「素直に話しているつもりだが…」
「そういうことではないんだけど…。でも、私もそんな若利が大好きだからね」
本日二回目の口付けは甘くて優しくて心を溶かすようなそんなキスだった。
それからお風呂でも綺麗に体を洗ってくれて、腕の傷口もちゃんと消毒してくれた(何故か包帯でぐるぐる巻きにされたけど)
着替えてからもう一回お誘いをしたんだけど、無理はさせないとかで二人仲良く健全なお昼寝タイムとなった。
夏はまだまだ続く。
今は少しだけ、一休み。
fin*