第23章 ❤︎ PROVOCATION 牛島若利
ゆっくりと呼吸を整えて見上げれば私だけに見せる優しい表情で“大丈夫か?”と静かに聞く。軽く触れるだけのキスをくれてまだ力の入らない体を動かし背を向き壁に手をついた。
若利は何も言わない。
でも私の腰に手を当て持ち上げ、そして硬くなったものをそっと充てがった。
体重をかけ突き上げるようにゆっくりと侵入すると感触を確かめるように上下に揺らす。悦ぶ体は体温を上げ、互いがぐちゃぐちゃに混ざり合っているところに“もっと”と自ら腰を揺らし奥へと誘導する。
「いちか…」
耳元で感じる若利の熱い吐息。そして一度動きを止めて私の胸元に手をまわす。
「若利?」
「じっとしてろ」
そう呟くとシャツの釦が外され、露わになった下着をたくし上げると膨らみの先をきゅっと摘む。
「……んんっ」
「まだ物足りないという感じだったからな」
「そんなことないよ」
「お前が誘ったんだからそれ以上に応えるつもりだ…」
そう艶っぽい声で囁かれ、きゅんと高鳴る鼓動。
首筋に這わせられた唇と直に感じる体温。またゆっくりと交わっていく快感に甘い吐息だけがその場に残って…。苦しいくらいに求められていることに心も体も満たされていった。
そして散々愛された後若利の腕の中で聞いた言葉は、滅多に言わない“好きだ”の一言だった。
これはひょっとして若利も嫌じゃなかった…?のかな。