第20章 ❤︎ 年下男子の本気 及川徹
同棲をしていればそれなりにお互いの私生活を尊重しなくちゃいけない。でも心配性というかヤキモチ妬きの恋人をもつと案外大変だったりすることもある。それは出かける前の出来事だった。
「飲み会何時からだっけ?」
「19時半から…。今日は電車だからあと30分くらいしたら出るけど」
「……なんの会だっけ?」
「いつもの女子飲み。大学時代の友達」
“ふわぁ”とあくびをしながらソファーに腰掛ける。もう夜だというのにスウェット姿で寝癖もついてる。
「徹はレポート終わったの?」
「まぁなんとか…、形にはなったかな」
「ならよかったね。明日も休みだしゆっくり眠れるね」
「そうだけどさ…、なんか今日の格好いつもより可愛くない?」
「そう?この前セールだったから買っただけなんだけど」
「というよりスカート短くない?」
「この下にちゃんとタイツも履くから問題ないよ」
「一応もう一回聞いとくけど今日は女子会なんだよね。男は来ないんだよね?」
「あー、途中から西門君と花沢君が合流するらしい」
「男友達も来るの?名前からしてイケメンな匂いなんだけど…」
「男友達って言っても二人とも彼女いるしな…。それに友達が結婚するからそのお祝いも兼ねてるの。普段は呼ばないよ」
「えー?でもお酒も飲むんでしょ?」
甘えるようにぎゅうっと抱き締めてきて“嫌なんだけどぉ”と駄々をこねる。身長も180㎝以上もある大男がもたれ掛かってくるだけでも重いのに…。
「こら、服がしわくちゃになるじゃない」
「今日は行かせたくない…。俺と一緒にいよ?」
ちらっとこっちを見る目は明らかに拗ねている。もちろんこうなることも予測していたことではあるけど一昨日からずっと部屋に籠もってレポートも頑張ってたし、徹の我儘だって理解できないわけじゃない。