第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
Barあかあしにて……。
AM 0:30
「ヤってる。今、あいつら絶対ヤってる。なぁ、赤葦君もそう思うだろ?」
「でしょうね。むしろ今やらないといつやるんですか?」
「今でしょ!の流れなんてもう古いから…。もう時代は令和だから。ああああああ……俺のいちかが……あんな奴と……。そういうのもう無理だからぁ、俺、絶対許せねぇからぁ」
「そこは諦めましょう。今の2人には何を言っても無駄ですし邪魔しても余計に関係が深まるだけだと思いますよ」
「今のあいつらに怖いもんなんてねぇよな。ある意味無敵だわ」
「そうです。あれこれと考えるだけ無駄です」
「はっきり言ってくれるわ。……俺といちかは幼馴染でさ、今まで時間かけて俺仕様に仕上げてきたのに、今になって他の男に取られるとかマジで残酷すぎるわ」
「フラれただけです、単に…。もう少し早ければどうにかかったかもしれませんが結果は同じだったと思いますよ」
「フラれたなんて思ってなかったんだって、マジで。喧嘩の延長だと思ってたし今までも色々あったけど最後には俺んとこに帰ってきてくれてたらから今回もそうだと思ってて。連絡取れなくなってやっと事の重大さに気付いたんだよ…」
「バカですね」
「バカだよ……。俺は、バカなんです。今頃仲直りしてヤリまくってたはずなのに……、今もまた戻ってく来てくれるんじゃないかって夢みて…、あああぁぁぁぁぁあああ……、辛いわ、マジで」
「はい、じゃあもっと飲みましょう。どうせなら勃たなくなるまで飲みましょう」
「いちかに使えねぇならもうただの飾りだわ。……いっそオカマにでも生まれ変わってやろうかな」
「それもいいんじゃないですか?」
「……はい?」
「ある意味こんな時は方向性を変えるチャンスだと思いますよ?これ以上何も失うものがないって人間ほど強いですからね。今まで出来なかったことも案外出来たりするんじゃないですか?」