第3章 ❤︎ 結婚記念日 赤葦京治
「…ふぁ…っ」
「…っ、いちか…っ」
中を感触を探るように前後に揺らし押し広げていく。繋がっている感覚が涙腺を刺激するのか目の前が歪む。
「中、京治でいっぱいだよ」
「そうしてるんだよ。俺のものってちゃんと刻み込みたいから」
肌のぶつかる乾いた音が一層激しくなる。さっきよりもずっと深い挿入に何も考えられくて息を吸うだけで精一杯。
「…ぅ、…んぁ、……ああっ」
「…いちかっ」
京治の息遣いに余裕がなくなって打ち付けるスピードも速くなる。
「ごめ…、俺もうヤバい…」
「京治…、きて…」
「…んっ」
二人の呼吸にかき消されそうな声は京治だけに届けばいい。頭が真っ白になる前に過った小さな欲に応えてくれるように中に放たれた熱はじんわりと広がっていく。オレンジ色のライトが揺れて大きな体が私を包んでくれてるだけで胸いっぱいの幸福感に涙が零れた。
これはあとで聞かされた話。
寂しそうな私を心配した木兎先輩から“なんとかならないか”と連絡があったみたい。京治もそう思ってたみたいで“まさか木兎さんに心配されるなんて”と苦笑してた。でも、優しい人たちに囲まれてこれからの未来はたくさんの幸せが待っているように思えて私は幸せを噛み締めていた。
今夜も京治の腕の中で眠りにつく。夢の中では子どもたちに囲まれて幸せそうに笑う貴方がいた。
fin*