第16章 ❤︎ ツインズに満員電車で意地悪される? 宮侑・宮治
例年より早い梅雨入り。鬱陶しい天気が続けばフラストレーションも溜まりそれを満たそうと体も思考も自然とそっち側へと赴く。それは健康優良男子故の事。
「なぁ、サム…。今日もいちかちゃんは可愛えなぁ」
「せなや」
「暑くなって薄着になった途端、むっちりしたボディ見せつけられて正直俺はもう堪らん」
「顔は童顔やのにおっぱいもでかいんや罪やわ」
「お前も見てるとこは見てんのやな、なんか安心したわ」
「そらそうやろ。見てみぃ、あのエロそうな体」
二人の目線の先にはマネージャーの姿…。ポニーテールを揺らしニコニコ笑って程よく肉付いた健康的な体。Tシャツの袖からは白い腕、ショートパンツから剥き出しになった太ももはそれだけで触れたい欲を掻き立てられる。触ると柔らかなマシュマロみたいでどこか甘い匂いがしていた。
「なぁ…、この前セフレの子からもらった卑猥な飴ちゃん使ったらやらしてくれるやろか?」
「そんなんあんの?」
「一個余っててん。今日、買い出し行かな行かんしいちかちゃん誘って」
「…よう思いつくな」
「どうせお前も溜まっとんやろ?噂じゃいちかちゃん押しに弱いらしいから俺らもワンチャンあるんちゃう?」
「お前と一緒なんが気にいらんけど」
「それやったら俺一人で行くけど?」
「誰も行かんとは言うてないやろ」
「ほな、決定やな」
侑のポケットから出したのは見るからに外国製であろう怪しい袋。中身は着色料の強い真っ赤なキャンディが透明なビニールに包まれていて期待を裏切らない見た目に思わず喉が鳴る。
いつもは憂鬱な曇り空にも一点の光が射す。