第15章 ❤︎ 彼女とのセックス見せつけていいですか? 角名倫太郎
落ち着きを取り戻した頃には侑はもうその場にはいなかった。俺にしがみつくように泣きながら“嫌いにならないで”なんてどこまで俺を翻弄させる気だろう。
「大丈夫。その前に嫌いになんてなれない」
「じゃあ、私、倫太郎の彼女でいていいの?」
「彼女でいていいとか誰もそんなことは言ってない。俺の嫉妬みたいなもんだし、それはちゃんと好きって事なんだと思うけど?」
「ほんとに?」
「俺はそう思ってる」
「……良かった」
「いちかからは言えないだろうから、侑にもほどほどにしとけって俺からやんわり言っとく」
「……うん、ほんとにごめんね」
「大丈夫、もう怒ってない」
安心したように笑ういちかを抱き締めて俺はスマホを開き侑にメッセージを送る。
“いちかに手出したら侑でも許さない”
いちかに贈った甘い言葉とは反面、それは最終通告のようなもの。誰にも譲る気も渡す気もないから俺なりのやり方で彼女には触れさせない。
Fin.