第13章 ❤︎ 岩泉先生の彼女と及川先生
「これで…、満足なのかよ、お前は」
「そうだね。最高のショーだったかな?」
「いちかを道具みたいに扱いやがって」
「俺からしてみれば岩ちゃんだって所詮は道具みたいなもんだよ。今回のこれだって俺のオナニーの延長みたいなもんだし。ま、もう少し抵抗してくれた方が面白かったけどね」
「絶対、許さねぇからな」
「それでいいよ。俺はなんとも思わないから。でもひとつだけ最後に言わせて?」
「……なんだよ」
「俺の掌で快楽に堕ちてく二人。本当に最高の二人だよ…」
吐き捨てるように嘲笑した及川が呟く。いちかはそのまま畳に寝かせられ、部屋にあったバスタオルが掛けられて及川はジャケットを羽織る。赤く充血して剥き出しの性器からは白く濁った体液が滴り落ちていく。
「ま、二人はゆっくりしていきなよ。俺は帰るから。…妊娠してるといいね、なんて言ったら殴られそうだから言わないけど」
「ふざ…けんな……」
「………岩ちゃん、ありがとう。じゃあ、またね」
そしてそれは薄れていく意識の中で最後に聞いた言葉だった。
月曜日になって違う朝を迎えても及川は変わらず“おはよう”と笑いかける。夢であってほしいとさえ思っても最後に見たその光景は変えられない現実であり俺たちの答えになった。
fin.