第2章 ❤︎ 幸郎「寂しいって素直に言えばいいのに」 星海光来
甘い時間もあっという間で身支度を終えてスマホを開くと幸郎からメールが届いてた。
「幸郎からメールきてる」
「なんて?」
「えーと…、〝無事会えた?帰りは光来君の代わりに最寄り駅まで迎えにいくからまた連絡入れといて〟だって」
「ああ、そういえば俺が合宿に入る前になんかあったら俺の代わり頼むって言っといたから」
「そうなの?」
「大丈夫とは思ってたけど一ヶ月近くもいないし一応な」
「へぇ、幸郎何にも言ってなかったから知らなかった」
「あいつらしいな」
「ほんとだね。でも今回は幸郎のお陰でここに来れたしお礼しなきゃね」
「そうだな。俺も後でメールしとく」
「うん」
「なぁ、いちか」
「ん?」
ぐいっと腕を引き寄せられて包み込むように抱きしめられる。
「後一週間だけ、我慢して」
「もう大丈夫だよ」
「待ってて…。俺、もっと強くなって帰ってくるから」
こんな格好いい台詞も光来らしい。うんと頷いて体を預ける。
「ちゃんと待ってる。また幸郎と一緒に迎えにいくからね」
あんなに寂しさでいっぱいだった心は今はもうすっかり満たされてしまった。
格好いい彼氏とよくできた幼馴染を持てて私は本当に幸せ者だね。
fin*