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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第13章 ❤︎ 岩泉先生の彼女と及川先生


日曜日のその日はたまたま一人でコンビニへ買い物に出かけていた。両親は県外の親戚に不幸があったらしく今日は向こうで泊まるみたいだし、私は一人呑気に過ごしていた。とは言っても明日も学校だしなんとなく憂鬱だった。

しかも一つ目のコンビニは欲しかったお菓子は売り切れ、二つ目のコンビニは取り扱ってもない、普段は行かない遠くのコンビニまで足を運ぶ事になってしまった。

「あ、先生!」

見つけたのは今日は会えないだろうと思っていた先生の姿だった。メールでのやりとりはしていたけど、思いもよらない場所で会えるのはサプライズ的に嬉しい。

「何してんだ?」
「買い物だよ」
「遠くねぇか?」
「だって近くのコンビニには欲しいお菓子なかったんだもん」
「飯は?もう食ったの?」
「お父さんもお母さんも親戚のお通夜に行っちゃって、明日お葬式になるだろうからって泊まりになるみたい。だから私、今日一人なの」
「んな話してたっけ?」
「してない。だって会えないと思ってたし…ってここ知り合いとかいない?大丈夫?」
「俺たちと…、あとはあそこの家族くらいだな」
「ならよかった。外で会う事なんてないと思ってたから嬉しいけど、周りを気にしちゃうよ」
「今ならたまたま会ったって言って誤魔化せるけどな」
「ああ、でも、折角会えたのになぁ。この後先生の家に連れてってくれるなんて展開にはならない…よね」

私の申し出に一瞬困ったような顔を見せたけど、ため息をつきながら立ち読みしていた雑誌を戻す。

「……いいけど、別に」
「嘘。ほんと!?」

一気に嬉しさが込み上がってくる。こんなワガママ絶対通らないって思ってたけど言ってみるもんだよね。

「俺も飯まだだし。ここは学校からも遠いし大丈夫だろう。夕飯まだなんだったらなんかとるか?」
「じゃあピザがいい」
「んじゃ帰って食うか?」
「うん!あ、でも先生車?」
「ああ。そこに停めてあんだろ?」
「ほんとだ。じゃあ誰かに見られないようにしなきゃ」
「だったら先に乗ってろ。ジュースとか適当に買っといてやるから」

“ほら、キー”と言って鍵を手渡される。鍵には二年の冬の時、修学旅行のお土産で買ったゴリラのキーホルダー。少し汚れちゃってるけど、まだちゃんとつけてくれてるのが嬉しい。
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