第12章 ❤︎ 家まで待てない 北信介
「気持ちええ?」
「気持ちいい…」
「まだここしか触ってないのに濡れてる」
今日初めて触れたソコは温かくてすんなりと指を受け入れる。ゆっくりと出し入れを繰り返すと愛液が指に絡みそしてその度に顔を顰めて声を漏らした。
「…だって半年だもん。ずっとしてなかったのに」
「せやな…」
「ね、信介」
「…なに?」
「もう欲しいよ」
俺を見下ろす瞳が潤んでいる。髪の毛が濡れ白い肌がシャワーの熱気でほんのりと色付いている。
「じゃこのままでええ?キツなかったら後ろからしたい」
返事を聞くと俺はそのまま背後に立ち、片足をバスタブに乗せる。そして硬くなった自身を当てがってまだ狭いままの奥まで腰を進める。キュッと締め付けて離さない。
「痛ない?」
「ぁ、ぁぁ……。へい、き」
「……ごめんっ。全然優しくできてへんな。俺」
そんなことは分かっていても一つになっている幸福感と快感に酔いしれてしまう。普段はできるだけ優しく無理させないようにと気遣ってどちらかと言えば俺自身が抑えていた部分があった。だけど今は独占欲に拍車がかかってもっと深くで繋がっていたかった。
「信介…っ、いっ、ちゃう」
「ええで?もっと俺で感じて?」
キツく中を締めて先に達した体を支えながら絞り出すように呟く。崩れる小さな体は波を立てながら快感を誘ってタイミングを合わせた後で彼女の華奢な背中を汚した。いつもの自分らしくないと無理をさせてしまった少しの後悔が心を覆った。
「これ以上離れてるんはもう無理やな…。俺の方が」
「俺らも結婚するってもう言わないかんな」
「え?何?急に…」
「これ以上離れるんも俺も寂しいからな。繁忙期終わったら挨拶に行くから」
「ほんとに?」
「前から決めてたけど俺の方が待てんわ」
「結婚、しよか?」
fin.