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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第10章 及川の彼女 岩泉一


「そうなんだよね。私が聞くのもなんか角が立つような気がして聞けなくて。気にはなってたんだけど」
「……そうか」
「……うん」
「別に気にしなくてもいいのによ…。俺と別れてから二人が付き合うようになったってだけだろ?及川も馬鹿だな、相変わらず」
「そうだよね…。でも私の事も気遣ってくれてたのかな」
「やり方が下手くそだんだよ」
「器用なのにね」
「だな。器用貧乏ってやつか」
「そんな事言うと失礼だよ」
「ああ、悪い」

ふといちかの表情が和らぐ。今はこんな風に笑えるのにどうしていつもあんな顔してんだよって言葉が喉でつっかえて出てこない。

一言“うまくいってんのか?”って聞くことができたら…ってそう思うけど、今更聞いたところで俺は何も出来ない。いちかの問題は俺じゃなく及川にしか解決出来ないもんな。

「柳瀬は進路決まったのか?」
「あ、うん…。徹君と同じ大学を受けようと思ってる。でも今のところD判定…」
「そうか。…けどD判定ってちょっと厳しくねぇか?」
「だよね…。そう思うよね」
「けどまだ時間あるし、俺より頭良いんだからお前なら大丈夫なんじゃねぇの?」
「今は週4とかで塾通い…。徹君と同じ大学って思ってたけどなかなか成績も上がらないの」
「アイツは推薦貰ってるからな」
「部活も頑張ってるもんね。あまり邪魔にならないようにしてるけど。…徹君、無理したりしてない?」
「してねぇよ。通常運転だ。…つーか、直接言えばいいだろ?」
「言っても大丈夫だからってそれだけだもん。私に変な心配かけないようにしてくれてるのかな」
「まぁ素直じゃないところあるからな…、アイツは」
「本心が分からない時があるんだよね」
「んなもん俺も一緒だって」
「幼馴染みでもそうなの?」
「分かるわけねぇだろ。もともとあまのじゃくなところもあるし、面倒くせぇ性格してんだし」
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