第8章 ❤︎ 当直室に彼女を連れ込んじゃう白布先生
目が覚めた時にはそのままベッドに寝かされていて、すぐ隣の机では賢二郎が資料に目を通している。こうやって皆が寝静まっている時間も賢二郎はずっと頑張ってるんだって思うと愛しさが溢れる。
「…賢二郎」
喉はカラカラで声はすっかり掠れている。でもそれはしっかりと愛された名残。
「起きた?」
「ごめん。寝ちゃってた」
「体、平気?もうすぐ夜が明ける」
「そんな時間?」
「とりあえず今日は俺が送ってくから。仕事終わるまで寝てて?そんなふらふらの体で運転させるの心配だし」
「でも大丈夫なの?」
「明日は日曜で出勤者も少ないから。多分バレない」
「ほんとに?」
「別にバレても皆やってることだから問題はない。直接俺に文句言ってくる奴もいないだろうし」
「そう、なんだ…」
「だからもう少し寝てろ?寝顔見ながら仕事するのも悪くないから」
「あんまり見ないで欲しいけど」
「こうやって職場に連れ込むのも悪くないな」
ふっと意地悪く笑った唇は私に優しいキスをくれる。カーテンの隙間から見える空は明るくなり始めていた。
fin.