第8章 ❤︎ 当直室に彼女を連れ込んじゃう白布先生
≫夢主side
“スマホの充電器を持ってきて欲しい”と連絡が入ったのは午後20時過ぎ。半同棲中の恋人は外来勤務の後、別の病院で宿直のアルバイト中だった。寝室のベッドのサイドテーブルには綺麗にコードが巻かれたスマホの充電器。きっと持っていこうとしてそのまま忘れたようだ。
“充電器、寝室に置いたままだったよ。病院に直接持って行っていいの?”
“職員玄関を開けてるから持ってきてくれたら助かる”
“うん、分かった。すぐに行くね”
メッセージのやりとりを終えてカレンダーを確認する。確か賢二郎の当直先は白鳥沢病院だったはず。車で向かえば10分もかからない。服も部屋着のワンピースままで充電器を手に車に乗り込んだ。
田舎だからか20時も過ぎれば辺りはもう真っ暗で病院の看板が駐車場を照らしていた。目立たない場所に車を停め指示された通り裏口へと回り紺色のスクラブ姿の賢二郎が立っていた。