第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一
松「ああ…。まぁ、確かに。一番しっくりきた」
及「ねぇ、行くだけ行ってみない?」
松「そうだな」
花「行こう!ここはもう迷わず」
矢「え?花巻さん、大丈夫なんですか?さっきまであんなにやる気なかったのに」
花「全然大丈夫!むしろこのために体力温存してたから」
岩「おい!」
花「嘘嘘冗談。岩も行くだろ?」
岩「なんでだよ。面倒くせえ…」
及「岩ちゃんはいちかちゃん奪われちゃってもいいの?」
岩「奪われるってなんだよ。んなわけ…」
及「可能性はゼロじゃないし消せるライバルは消しておきたい。岩ちゃんが行かないならそれでいい。俺一人でもいくから」
松「ま、俺も今回は及川に賛成だよ」
岩「松川までマジかよ」
花「行こうよ、岩も…。俺たちいつも4人一緒じゃん」
多分岩って案外こういう言葉とか展開に弱いはず。根は超いい奴なの知ってるから。
岩「ったく……。ああもう、言っとくけど俺は付いていくだけだからな?」
及「上等だよ。向こうは三人でしょ?こっちは四人だから…。数なら勝てる」
岩「いや、それは……微妙だろ。あいつ入れた向こうも四人だし…」
花「とりあえず行ってみようよ」
及「行こう。俺、本気だから…」
及川の本気度なんてどうでもいいけど、もしいちかちゃんたちに会えたら絶対面白い展開になるってワクワク感が溢れてテンションが上がっていく。
見送る矢巾に手を振り外に出れば容赦のない突き刺すような日差しに目を細める。けど今の俺たちには夏の暑さも熱中症アラートもそんなの全くもって問題なかった。