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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一


「まっつん、何抜け駆けしてんの!」

店内にいても及川の声は聞こえてくる。このクソ暑い中叫べる元気があるのが羨ましい。

「いちかちゃん、普通このタイミングで現れる?」
「ね、私もびっくり」
「俺も!そこに入れて!」
「いいの?」
「あー……、あ、でも丁度いいや」
「え?」

いちかちゃんがおいでおいでと手で招く。途端に嬉しそうに表情を崩してフンヌフンヌと鼻歌混じりで店内に入ってきた。

「いちかちゃーーん」
「お疲れ様です」
「疲れてたんだけどいちかちゃんの顔見たら疲れも吹っ飛んじゃった」
「そうですか。それはよかったです」
「うんうん!俺も嬉しい」
「突然なんですけど今少し時間ありますか?」

さっき崩壊させた以上に表情が崩れるくらいに綻ばせた。俺や花には普通に話してるのにまだ及川には敬語なのがウケる。その事実を及川が知らないってのが最高だ。

「ちょっと相談したいことがあって」
「え?なになにー??俺でよかったら何でも言って?」
「私、10歳くらい離れたお兄ちゃんがいて趣味でバレーをやってるんですけど、どんなタイプのシューズがいいのか分からなくて一緒に見てもらえないかなって」
「あぁ、なるほどね…」
「何?まっつん、何がなるほどなのさ」
「いや、何でもないよ。俺も相談したいことがあるって言われてたから、なるほどそういうことかって思っただけ」
「そうなんだ。でもさ、まっつんはまだ相談もされてないし内容も知らないんだよね?ってことは俺に初めに相談したって解釈しとくからね」
「そこ張り合うところ?」
「当たり前でしょ?いちかちゃんに対するアピールなんだし例えいちかちゃんに好きな人がいても俺は諦めないからさ。こういうチャンスで少しずつお近づきになる。で、いつ靴見に行く?」
「私はいつでもいいです」
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